みかんぼの日記

日常のひとコマ。気付いたこと思ったこと。映画、本の感想など。

『さびしいまる、くるしいまる。』(本)

中村うさぎ (著)
角川文庫
‏2006/2/1

(内容)
彼が隣に座ったその瞬間、何かが弾けた。滅茶苦茶私のタイプ。美しい顔。たちまち大好きになった。でも、彼は歌舞伎町のホストだった。お金はかかるし、誰のものにもならない。その時から自分の気持ちの落とし所を探す日々に突入した。

(感想)
この本は、文庫で読んで本当に良かったと思う。その位この「文庫版あとがき」はすごい。生々しくてちょっと気持ち悪い話だが、これ程胸を打つ後日談もそう無いだろう。

それまでは彼のことをずっと名前で読んでいたのに、この「文庫版あとがき」では『ホスト』又は『あの男』と書いている。この頃には筆者がいかに彼に対して冷え冷えとした感情を持っているかが手を取るようにわかる。『彼には心がないのだろうか』とまで書いているのだ。

「あんなに愛していたのに」なんて思うこと自体愚問なのだ。恋愛なんて本来そんなものなのだろう。こんなに許せないということはそれと同じ位愛してたということなのだ。

それにしても、自分のことをリアルタイムで書ける人というのは本当にすごい。私など保身のために今の状態や感情がある程度落ち着いたら書こうなどと思ってしまう。そういう意味で、中村うさぎさんほどすごい人を私は見たことが無い。

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